#006
株式会社コンプレックス・ビズ・インターナショナル 様
色、艶、デザイン、強度。
品質にこだわったヘアアクセサリーで業界を牽引するパイオニア
公開
- カテゴリー:アクセサリー
- 製 品:ヘアアクセサリー
- 加 工:塗装、樹脂コーティング
- 風合い:ツルツル、艶、光沢
- カラー:グリーン、レッド ほか
- 素 材:ステンレス、チタン、樹脂

1974年にニューヨークやパリの最新アクセサリーの販売をスタート、1984年からはオリジナル製品の企画・製造・販売を開始。現在はラグジュアリーなヘアアクセサリーの自社ブランドを展開し、百貨店やオンラインショップで販売する株式会社コンプレックス・ビズ・インターナショナル様。なかでもワカヤマが塗装をお手伝いしているのは、社名を冠した基幹ブランド「コンプレックス ビズ」のアイテムです。洗練された上質さを追求した「コンプレックス ビズ」のヘアアクセサリーの数々は、じつはワカヤマの塗装技術と相性が良いのだそう。それはなぜなのか、生産管理部の野村めぐみさんと曽根めぐみさんにお話をうかがいました。
お話を聞かせてもらった人
-
株式会社コンプレックス・ビズ・インターナショナル
生産管理部
野村めぐみ 氏 -
株式会社コンプレックス・ビズ・インターナショナル
生産管理部
曽根めぐみ 氏
お話を聞いた人
-
株式会社ワカヤマ
ものつくり戦略室
山本瀬菜 -
株式会社ワカヤマ
ものつくり戦略室
鈴木夕海
ワカヤマに依頼した決め手は
「品質へのこだわり」
山本:
まずは御社の事業内容、そして野村様と曽根様のご担当されている業務について、それぞれ教えてください。
野村:
コンプレックス・ビズ・インターナショナルは、オリジナルヘアアクセサリーやファッション小物の企画・製造・販売を手がける会社です。複数展開するブランドの中で「Complex Biz」は当社を代表するヘアアクセサリーブランドで、スワロフスキー・クリスタルやシードビーズを組み合わせてハンドメイドしたヘアクリップやコーム、ヘアゴムなどのラグジュアリーな製品が好評をいただいています。
私自身は現在、生産管理部に在籍していまして、社内で企画された製品を製造していただくメーカー様の選定、 企画から生産までのスケジュール管理などを担当しています。

曽根:
私は主にメーカー様への依頼とその後の納期管理を担当しています。加えて、最近は品質管理もさせていただくようになりました。

山本:
御社が製造を依頼するメーカーのひとつにワカヤマも含まれるわけですね。弊社に初めて問い合わせの連絡をくださったのは野村様だったと記憶しています。
野村:
4年ほど前のことでしたよね。弊社の製品はステンレスや樹脂のベース素材に色塗装して仕上げるものが多いのですが、当時、製品のカラーバリエーションが思うように増やせないという課題を抱えていました。
そこで新たな塗装メーカーをインターネットで検索していたところ、目に留まったのがワカヤマさんのウェブサイトでした。
鈴木:
どんなふうに検索されたのですか?
野村:
それこそ「塗装 メーカー」のようにシンプルなワードで検索しましたね(笑)。
山本:
なるほど(笑)。でも、それだと数多くのメーカーがヒットすると思いますが、なぜ弊社に?
野村:
品質に強いこだわりを持つメーカーさんであることがウェブサイトを通して伝わってきたのがいちばんの理由です。ワカヤマさんが手がけてきた事例のひとつとして、樹脂素材へ塗装した化粧品のキャップが紹介されていたので、ヘアアクセサリーのように小さな物にも塗装していただけそうだと感じました。そして、もちろん豊富なカラーバリエーションも決め手のひとつです。

野村:
一度ご相談してみようと思い、問い合わせフォームから連絡すると、若山社長が自らお返事をくださって。こちらのオーダーに応えていただけそうとのことでしたので、いくつかアイテムをお送りすると、すぐにさまざまな色のサンプルをつくってくださったんです。その仕上がりに非常に満足したので、以来、たくさんの製品を依頼するようになりました。
メガネ業界で培った技術と
ノウハウがヘアアクセサリーにフィット
山本:
最初にサンプルをつくらせていただいたのはステンレスコームで、その次はバナナクリップでしたよね。
野村:
そうでしたね。じつは当時、定番品のバナナクリップを購入されたお客様から不良品の報告があったと聞き、その課題解決が急務でした。当該製品は樹脂のベースに柄をプリントし、最後に透明のエポキシ樹脂コーティングを施して仕上げていましたが、製造直後は品質に問題がなくても、お客様が使っているうちにクリップの開閉部に負荷がかかり、コーティングが剥がれてしまうことがあったんですね。
ワカヤマさんをはじめ複数のメーカー様に課題をご相談したところ、ほかのメーカー様がなかなか解決策を思いつかずに断念していくなかで、ワカヤマさんだけはあきらめずに何度も解決策を提案してくださって。
最終的に、バナナクリップの柄プリントの部分だけではなく、クリップのツマミ部分も含めて全体に樹脂コーティングを施した試作品を納品していただき、弊社で品質試験を行ったところ、クリップに負荷をかけてもコーティングがまったく剥がれなかったんです。「そのアイデアがあったか!」と膝を打ちました。


曽根:
以来、そのバナナクリップの塗装はワカヤマさんにお願いしているのですが、エポが外れる不良品の報告がパタリとなくなりました。その件にかぎらず、いつも弊社の無茶振りに応えてくださって本当に感謝しています。
山本:
とんでもないです。ワカヤマは全数良品で納品することにこだわっているので、作業の過程で不良品が出てしまうと「進行が遅れるのではないか?」と、ご心配をおかけすることもあります。そんな場合も御社はどっしりと構えて待ってくださるので、私たちとしても焦らず製作に集中することができます。

曽根:
ワカヤマさんの品質へのこだわりぶりを考慮すると、当然のことです。
野村:
だからこそ国内だけでなく、海外でも製品が評価されているわけですね。
今井:
そういえば以前、「ITiLU(イチル)」というチタンのコームに赤の塗装をしていただいた際、弊社がイメージしていたよりも深みのある美しい赤で塗ってくださったことがありますよね。
あまりにきれいな赤だったので「どうやってこの色を出したのですか?」と訊ねたら、赤の塗料を4層ほど重ねて深みを出したとおっしゃっていたのが忘れられなくて。そこまでしてくださるのかと驚きました。

山本:
御社のアイテムがとにかくすばらしいので、こちらも「もっと素敵にしよう」と力が入るんです(笑)。とはいえ、ふだんは弊社がご提案した色に一発OKをいただくことは稀ですよね。同じく「ITiLU(イチル)」シリーズのスティックの緑バージョンでは、なかなか「これだ」という色を出すことができず、ご迷惑をおかけしました。
野村:
いえ、あのときはこちらのオーダーが雑でしたので(笑)。「グリーンのジャガーのような緑で塗ってください」というざっくりした依頼を受けて、ワカヤマさんの職人の方々も困ってしまったと思います。それでも最初からこちらがイメージした通りの緑を塗ってくださったので、本当に感心しました。ただ、実際にスティックを髪に挿すと、せっかくの素敵なグリーンが黒髪に埋もれて沈んだ色に見えてしまって……。
それで何度か微調整をお願いすることになったのですが、私たちの細かなオーダーに対しても的確に応えてくださいましたよね。第三者が見たら「同じ色では?」と感じるであろう、わずかな色の違いを表現してくださったことにも、すごく驚きました。

山本:
弊社が鯖江のメガネのパーツ塗装に長年携わってきたことが大きいかもしれません。メガネも髪に近い位置に装着するファッション小物ですから、実際に人がかけてみると想像していたのと違った色に感じる、なんてことがよくあるんです。
それでクライアントから「もうちょっと黄みを足して」「青みを抜いて」といった要望をいただき、微妙な色のニュアンスを調整していく……そんな作業は弊社にとっては日常茶飯事です。メガネ業界に携わることで培った経験やノウハウが役に立っているのかなと思います。
野村:
その意味では、弊社の製品とワカヤマさんの塗装技術は相性がいいのかもしれませんね。
山本:
ありがとうございます、光栄です!
今後は“メイド・イン・ジャパン”を
感じるアイテムを
野村:
先ほど、弊社の製品を「もっと素敵にしようと力が入る」とおっしゃっていただきましたが、それこそワカヤマさんのほうから色だけでなくデザインにも言及した提案をくださったことがありましたよね。
山本:
ステンレスのコームでしょうか?
野村:
そうです。レースのように繊細なボタニカルモチーフをあしらった背の部分のデザインが印象的なコームで、もともとは弊社が「スワロフスキーで装飾したり多色展開するのではなく、マルチカラー塗装して一色展開したい」とオーダーしたのがきっかけでした。
このときも若山社長が弊社の無理な依頼を受け止めて、「コーム本体だけではなく、デザインによって生じた背や歯の隙間部分にも色を入れられますが、どうですか?」と大胆な提案をしてくださったんです。「その隙間にさまざまな色で半透明の塗装をすると、ステンドグラスのようになりますよ」と。

野村:
ぜひやってみたいと試作品の制作をお願いしたのですが、色を半透明にすると髪に挿したときに黒ずんで見えてしまうことがわかりました。それが理由で最終的には不透明な色で塗装していただいたのですが、実際に「ステンドグラスのようなデザインのコーム」として商品化され、おかげさまでとても好評でした。


鈴木:
野村さんとは長年やりとりさせていただいていますが、こうして改めてお褒めの言葉をいただくとうれしいですね。今後、ワカヤマに期待することがあれば教えてください。

野村:
弊社の販路は主に百貨店と自社のショッピングサイトですが、近年、新たな販売チャネルへの挑戦として、クラウドファンディングのプロジェクトを立ち上げています。いまのところ国内のクラウドファンディングサービスのみに留まっていますが、これを海外のクラファンにも広げていきたい。
海外のクラウドファンディングサービスでプロジェクトを立ち上げるとなると、“メイド・イン・ジャパン”を感じられる製品が支持されると思います。その代表例が、ワカヤマさんに塗装をお願いしている「ITiLU」シリーズなのかなと。今後はより“メイド・イン・ジャパン”を意識したデザインを企画することがあるかもしれませんので、そのときはぜひお力添えをいただきたいと考えています。

鈴木:
ぜひ! いま“メイド・イン・ジャパン”と聞いただけでも思いつく技術や塗装が弊社には数多くあります。デザインの提案も含めて、気軽にお声がけいただけるとうれしいです。(了)
株式会社コンプレックス・ビズ・インターナショナル 様
1974年にニューヨークやパリの最新アクセサリーの販売をスタート、1984年からはオリジナル製品の企画・製造・販売を開始。現在はラグジュアリーなヘアアクセサリーの自社ブランドを展開し、百貨店やオンラインショップで販売する株式会社コンプレックス・ビズ・インターナショナル。リンク先のWEBサイトから素敵な商品が購入可能です。ぜひご覧ください。
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