株式会社Cuet | イロトカ WAKAYAMA SURFACE DESIGN

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ワカヤマに相談する

#002

株式会社Cuet 様

おしゃれなステンレスストローをきっかけに
自分の“内面”が引き出される感動体験を届けたい

公開

カトラリーや食器を中心としたハイセンスなテーブルウェアブランド「Cuet」を展開する株式会社Cuet様。メイン商材のひとつである、ステンレス製のストローのメッキ塗装をワカヤマが手がけています。なぜストローというニッチなアイテムがブランドのメイン商材となったのか、複数ある着色方法からメッキ塗装を選んだ理由は何なのか。代表の中野結衣さんにお話をうかがいました。

お話を聞かせてもらった人

  • 株式会社Cuet
    代表
    中野結衣 氏

お話を聞いた人

  • 株式会社ワカヤマ
    営業部
    西野成太郎

学生起業して販売した
ストロー2000セットが8分で完売

西野:

あらためて、まずは御社の事業内容から教えていただいてよろしいでしょうか。

中野:

「Cuet(キュート)」というテーブルウェアブランドを展開しています。ブランドを立ち上げたきっかけはオリジナルのストローの開発・販売で、いまもメインの商材はストローですが、ほかに食器やカトラリーなども扱っています。

西野:

起業されたとき、中野さんはまだ学生だったんですよね。

中野:

2021年6月、大学3年生のときに起業しました。

西野:

そもそもなぜ大学生でストローをつくろうと?

中野:

学生時代に「いんスタバぐらまー(@instaba.gramer)」というスターバックスのカスタムドリンクの情報を発信するInstagramアカウントの運営をはじめたんです。スターバックスって、無料でホイップクリームが2倍になったり、キャラメルソースがかけられたりと、ドリンクのカスタマイズが可能じゃないですか。

カスタマイズについては店舗のメニューの隅に小さく記載があるんですが、私がそれに気づいたのはスタバにハマって通い詰めていた大学生のときだったんですね。知っている人は知っていると思いますが、まだまだ知らない人もいるでしょうし、知っていてもスタバに慣れていない人は頼みづらかったりします。

そこで、みなさんにレシピをご紹介する感覚で自分で考案したカスタムドリンクのオーダー内容を写真とともにInstagramに投稿してみたところ、それがバズるようになりまして。いまでこそスタバのカスタムドリンクを紹介するアカウントは多いですが、当時は私のアカウントくらいしかなく、気づけば30万以上のフォロワーを抱えるアカウントになっていました。

西野:

30万! それはすごいですね。

中野:

世の中には私のようにスタバ好きな人が多いんですよ。ちょうどその頃、たまたま人からステンレスのストローをいただいたことがあり、フラペチーノに挿して使ってみたら、ストローがひんやりして普段よりおいしく感じたんです。しかも見た目もかわいい。すっかり気に入って、毎日のようにストローを愛用していたある日、スターバックスが紙製ストローを段階的に導入すると発表したんです。

西野:

5年くらい前ですかね。もともとはプラスチックのストローを提供していたのが、紙ストローに替わっていきました。

中野:

そのとき自分がマイストローを使っていたこともあり、なぜスタバは紙ストローに切り替えるんだろうと興味をもって調べてみたんです。背景には海洋プラスチックごみの問題があるとわかり、対策としてなぜ紙製カップよりも紙製ストローを優先して導入するかというと、その数年前、絶滅の危機にさらされているウミガメの鼻にストローが刺さった動画が海外で話題になっていたからだと知りました。

それまで環境問題に関心がなかったわけではありませんが、社会問題や市民活動の文脈で語られるとちょっと圧が強いと感じて踏み込めずにいたところがあるんです。けれど、ただ「かわいくておいしい」という理由で使っていたストローをきっかけに、環境問題を自分の身近な問題と捉え、いろいろなことを考えるようになって。自然と自分の内側を引き出してもらえた気がして、感動したんですね。

そんな体験を多くの方たちにもしていただきたい。ならば、まずは私自身が心を動かされたステンレスストローというプロダクトを通じて体験をお届けしようと思い、オリジナルストローをつくろうと決めました。

西野:

なるほど、そんな経緯があったんですね。それにしても当時はまだ学生だったのに、本当にストローをつくってしまった。すごい行動力ですね。

中野:

ちょっと頭のネジが外れていたのかもしれません(笑)。「いんスタバぐらまー」をはじめたのも自分が知った良い情報や体験を人に届けたいと思ったのがきっかけだったので、もともとそういう欲が強いんでしょうね。とにかく「届けたい」一心で、学生アルバイトで貯めたお金を注ぎ込んでストローとケースを2000セットつくりました。

西野:

最初はビジネスにするつもりもなかったんですか。

中野:

はい、まったく考えていませんでした。ところがInstagramで宣伝したところ、販売から8分で2000セットが完売してしまったんです。驚いたと同時に、こちらの思いを受け取ってくれる方がこんなにたくさんいるんだと気づいて。そこで初めてビジネス化や法人化について考えるようになりました。

色の安定を求めて
メッキ塗装を検討

西野:

ステンレスストローとケースの開発について、もう少し詳しく教えてください。

中野:

ステンレスストローの形状やデザインについては当初から明確なイメージがありましたが、それを持ち運ぶためのケースについてはお弁当についている箸入れのようなものなのか、巾着っぽいものなのか、なかなか決められずにいました。

巾着タイプのストローケースはすでに世の中にたくさんありましたが、たとえばスタバのフラペチーノに挿したあとのストローを巾着に入れるのは抵抗があるじゃないですか。どうしようかとあれこれ検討しているうちに、ストローを一回り大きくしたような筒型のステンレスのケースにしたらいいんじゃないかと思いつきました。

中野:

次に考えたのはカラーリングです。ステンレスの素材をそのまま活かしたシルバーも素敵ですが、単色展開だとさみしい気がしました。私自身、ステンレスストローを気に入った最大の理由は「かわいらしさ」でしたから、カフェタイムのアクセサリーとして使ったときに気分が上がるようなストローにしたい。そう考えると、カラーバリエーションがほしいですよね。

西野:

そこでワカヤマの出番……と言いたいところですが、最初は塗装でない着色方法を試されたとうかがっています。

中野:

当初は「酸化発色」といって、その名の通り薬品でステンレスを酸化させ、光の干渉現象によって発色したように見せる方法を試しました。酸化発色はステンレスの質感を活かしたまま美しく発色する、錆びにくくなるなどの利点が魅力的だったものの、何度か発注しているうちに色ズレが出るようになってしまったんですね。

発注先の工場さんによると、技術的なミスというよりストローの形状が酸化発色に向かないとのことでしたが、時には発注したアイテム数の1/3以上が希望のカラーに仕上がらなかったこともあり、これではビジネスをつづけられないなと。仮にブラウンと発注したのにブルーに発色してしまったとしても、ストロー単体なら「ブルーのストロー」として売ればいいですが、Cuetのストローはすべて同色のケースとのセット販売なので、色にバラつきが出ると商品にならないんです。

なにかほかの方法はないかと探していたところ、ストローを成型してくださっている新潟・燕三条の工場さんが、ワカヤマさんの名前を教えてくれました。ワカヤマさんと直接お取引があるわけではなかったそうですが、「メッキ塗装に定評のある会社だから相談してみたら?」と。

西野:

ありがたいお話です。

中野:

そこでさっそく東京でおこなわれた展示会のワカヤマさんのブースにおじゃまして若山社長とお話ししてみると「来月、工場見学に来る?」と提案してくださって。その場で日時も決まったので、翌月、福井県の本社工場を訪れたら「本当に来たんだね」と言われました(笑)。

西野:

そんなこともありましたね(笑)。でも真面目な話、私たちとしてはクライアント様には可能なかぎり工場に一度は来ていただくことにしているんです。実際に足を運んで見ていただくと、私たちがどういう会社なのかよくわかっていただけると思うので。

中野:

おっしゃるとおりで、工場を見学したことで、みなさんのモノづくりに対する真摯な姿勢がよく伝わってきました。ワカヤマさんに発注したらどう仕上げてくれるかのイメージも湧いたので、まずは1色、塗装をお願いすることに決めました。

西野:

ワカヤマとしてもストローへの塗装はあまり手がけたことのない分野でしたが、じつは以前、某コーヒーチェーンさんからノベルティのステンレスストローを塗装できないかと相談されたことがありました。いまのように世の中が環境問題に興味をもつようになる何年も前のことだったので、結局その話は立ち消えになりましたが、そのときストローへの塗装について社内で検討した経験があったんですね。

あとはこれまで鯖江のメガネなどで培ってきた塗装のノウハウや検品の徹底で、できるかぎり中野さまの要望に応えたつもりです。実際に塗装したストローを見ていかがでした?

中野:

大満足でした。色ズレが起こらない安心感があるのはもちろんのこと、塗装でしか出ない質感や明るいカラーリングがとても気に入って。酸化発色のシックで落ち着きのある色も好きですが、iPhoneで写真を撮ったときに色が実物よりも沈んで見えるんですね。その点、塗装は実物の色が明るいぶん写真にも鮮やかに色が写ります。Instagramを主戦場としている当ブランドとの親和性も高いと感じました。

ファンの裾野を
広げるための具体策

西野:

この機会にワカヤマに言いたいことや、リクエストはなにかありますか?

中野:

今後の展望をお話しすると、Cuetはストロー屋ではなく、あくまでも「きっかけ屋」でありたいので、人びとが暮らしのなかで自らの内側について考えるきっかけになるような商品をこれからも増やしていきたいと考えています。当然ながらタッチポイントは多いほうが良いので、テーブルウェアにとどまらず、ライフスタイル全般に手を広げたり、飲食分野──たとえばお茶のサブスクリプションの提供を開始するといった展開もありえるのかなと。

それと同時に顧客の範囲を広げようとも考えていて、Cuetの商品はブランドのInstagramアカウントや「いんスタバぐらまー」のアカウントをフォローしてくださっている方には届きますが、それ以外の方々には届けられていないのが現状です。より広く届けるために、ホテルやレストラン、カフェ、あるいは小売店などへの卸しも視野に事業を拡大していきたい。

ワカヤマさんにはいろいろな面でサポートをお願いしたいと思っていますが、急務なのはストローの食洗機への対応です。というのも、今後ストローをBtoB展開していくにはホテルやレストランにある業務用の食洗機にも対応していると言い切る必要がありますが、その見せ方というか表現について、弊社にはまだまだ知見がないんですね。

単に言い方を工夫すればいいのか、あるいは耐久性テストなどをクリアする必要があるのか。いろいろな方法があると思うので、そこの相談にも乗っていただきたいです。

西野:

なるほど……。いまこの場で解決策をお伝えすることはできませんが、弊社としてもこれからメガネ以外の領域に進出していくにあたって避けて通れない問題ですので、ぜひ一緒に考えさせてください。

中野:

ありがとうございます! これまでも納期や納品時の梱包などについてもたくさんご相談してきたのに、無理難題ばかり投げてしまって恐縮です……。

西野:

とんでもないです。SDGsが叫ばれる昨今、Cuetさんの商品を通じて環境問題に間接的に貢献できるのは光栄なことですし、Cuetさんのストローは見た目がかわいらしいので、現場のスタッフ──とりわけ女性スタッフのモチベーションが上がるんです。おもしろいもので、作業や検品のスピードがあきらかに速くなるんですよ。私たちとしてもCuetさんからの依頼は大歓迎ですから、今後も気軽にいろいろとご相談ください。

中野:

商品を見たり触れたりして気分が上がったとか、モチベーションが上がったと言ってもらえるのがいちばんうれしいです。こちらこそ今後ともよろしくお願いいたします!

編集 : 株式会社KATATI / 文字 : 岸良ゆか / 撮影 : 西林将門

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お話をお伺いした企業様

株式会社Cuet 様


カトラリーや食器を中心としたハイセンスなテーブルウェアブランド「Cuet」を展開する株式会社Cuet様。メイン商材のひとつステンレス製のストローがあります。下記のリンクより、ぜひ「Cuet」様の商品をご覧ください。

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